印影とは、書類などに押したはんこの跡のことです。はんこと押した跡のことをまとめて「印鑑」と呼んでしまうことは日常では多いですが、それは本当は間違った言葉の使い方なのです。印を押すために印材に彫り物を施したものは正式には印章といいます。そして、それに朱肉を付けて押されたしるしが印影です。普段、書類を提出するときや宅配便を受け取る際には、印章を書類に押し、押された印影が、押した本人が確認したり承諾したりしたという証明になっているのです。
では印鑑という言葉は何を指すかというと、こちらは役所などに登録した印影のことになります。金融機関に口座を開設するときの銀行印や実印の登録の場合に押し、役所や金融機関に保存される印影が印鑑なのです。実印を使用するような重要な取引の場合には、実印の証明書も一緒に添付します。そうすることで、登録されている印影の印章が使われたという証明になるのです。登録された印影と印章をそろえることで、偽造を防ぐという意味があります。